北陸新幹線工事トンネル崩落事故のメカニズム

 福井県あわら市で建設中の北陸新幹線柿原トンネルの天井が崩落、地表の柿原グラウンドが陥没した事故で、鉄道建設・運輸施設整備支援機構の技術委員会は4日、陥没現場付近の旧地形の把握が不十分だったことや、地下水や雨水などによる地盤の緩みに対する認識が十分でなかったなど、複合的要因により起こったと公表した。

 この日、福井県国際交流会館(福井市)で開かれた最終会合後、朝倉俊弘・京都大名誉教授(トンネル工学)と同機構の萩原秀樹工事第3部長らが会見した。

 事故のメカニズムとして、陥没現場の旧地形は砂層の沢地形で地下水がたまりやすく、さらにグラウンドの排水路付近は雨水により地盤が緩みやすい状況だったと説明した。陥没の約2週間前、現場を掘削した際に、前方表面がやや大きくはがれ、さらに掘削を進める段階で継続して表面がはがれて周辺の地盤の緩みが拡大。地下水や事故前日まで降った雨水などでさらに地盤が不安定になり、トンネル上部の荷重が増えて陥没したとした。

 事故原因は、陥没現場の改変された地形の詳細を調査していなかったこと、地盤の緩みに対する懸念が十分でなく、施工結果を踏まえた排水処理計画の検討なども不十分だったことなどを挙げた。

 朝倉委員長は、事故はこうした複合的要因により起こったとし、技術委員会や機構、施工側にそれぞれ責任があるとした。また「今後の陥没場所の掘削により、これらの検証を行うとともに新たな知見が得られる可能性がある」と話した。

 機構は「調査結果を真剣に受け止め、再発防止に努めていく」とした。

 事故は9月8日に発生。あわら市柿原グラウンドが直径約15メートル、深さ約8メートルにわたって陥没し、土砂が工事中のトンネル内に流れ込んだ。けが人はなかった。

関連記事
あわせて読みたい