夷子大黒綱引き=2014年1月19日、福井県敦賀市相生町

 「夷子(えびす)勝った、大黒勝った。エイヤ、エイヤ」。威勢のいい掛け声で幕を開ける福井県敦賀市中心部、相生町の旧西町の「夷子大黒綱引き」。400年以上前から伝わる毎年1月の伝統行事は今年、太平洋戦争や昭和天皇崩御以来の中止となった。地元住民は「(運営する)人も金もなくてどうしようもなかった」と話す。

 数百人が大綱を引き合い、豊作豊漁を占う祭りは1986年、国の重要無形民俗文化財に指定された。祭りを運営してきた旧西町は、30年前より半分以下の約15世帯に減った。旧西町のマンションに引っ越してきた人は祭りに関心がないという。

 運営費約100万円の4割は地元企業の寄付で賄ってきたが、経営者の代替わりなどで集金は困難に。保存会の松村輝男会長(61)は「頭下げては断られての繰り返し。最近は誰が役員を務めるかでも、もめていた」と打ち明ける。

 祭りの中止を寂しく思う地元外から声が上がり、10月には運営を引き継ぐ伝承協議会が設立された。地元や商工団体、NPO法人など8団体による来年の復活が決まった。

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