中学生に拉致問題解決のための協力を呼び掛ける地村さん=1日、福井県小浜市文化会館

 小浜市の拉致被害者、地村保志さん(62)は1日、市文化会館で開かれた拉致問題を扱った舞台劇公演の催しに出席し、会場に詰め掛けた市内の中学生約550人を含む約750人に対し「これからの長い人生の中で、拉致問題を記憶にとどめ、問題解決のためにご協力をお願いしたい」と訴えた。

 地村さんは北朝鮮による拉致について分かりやすく説明した後、「日本政府は17人の拉致被害者を認定しており、拉致の可能性のある人は数百人に上る」とし、いまだ解決していない問題であることを強調。1978年、23歳のときに小浜公園展望台で拉致された当時の様子についても詳しく触れ「夜8時すぎ、ベンチに座っているときに工作員4人に拉致され、24年間北朝鮮で暮らした」と話した。

 2002年の帰国時は「日本では大変な騒ぎになり、拉致問題を知らない人はいなかった」。ただそれ以降、拉致被害者の帰国は実現しておらず「皆さんのような若い世代が多くなるにつれ、拉致問題への意識も薄れていってしまう」と懸念を示した。

 最後は「拉致問題が現実から見放されることがないよう、今後大きくなったら、解決のためのご協力をお願いします」と呼び掛けた。

 公演は「めぐみへの誓い―奪還―」と題した舞台劇。拉致の疑いがある越前市の特定失踪者、河合美智愛(みちえ)さん=1984年失踪当時(20)、敦賀市の山下貢さん=89年失踪当時(39)=の家族も会場を訪れた。

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