立地適正化計画のイメージ

 将来的に居住誘導区域の内外で行政サービスに差が生じるのか―。越前市の計画では、誘導区域に設定しない地域においても居住者の利便性を確保すると明記する。担当者は「市内には山村部も市街地も郊外の住宅地もあり、いろいろな暮らしの選択ができることが特長」とした。来年度末までに居住誘導区域を定める福井市も、区域外でも行政サービスは変わらないと強調する。

 国は同計画を策定した市町村に対し、さまざまな社会資本整備に対する交付金を上乗せする支援策で“誘導”を後押しする構え。山口さんは「国の方針からしても将来的に区域外のインフラ更新が滞っていくのは明らか。市町が言うように『何も変わらない』なら、どうして計画で線引きする必要があるのか」と疑問を投げ掛けた。県内の不動産鑑定士は「数年前から人口減少の影響で郊外の地価は下落傾向が強まり、まちなかの土地の需要は高まっている」とし、計画により地価の二極化がさらに進む可能性も指摘した。

 「現時点では、市民それぞれに計画の意義の解釈が委ねられているような印象を受ける」と話すのは都市計画が専門の野嶋慎二・福井大教授(57)。「区域内は車がなくても不自由なく、公共施設があって文化的にも豊かに暮らせる。行政側は今後のまちづくりのプロセスで、そのような魅力的なライフスタイルをセットで提示していくことが重要」と強調した上で、こう付け加えた。「人口減少だから仕方なく策定した計画では夢がなく、実現していかない」

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