記者会見する北陸電力の金井豊社長=11月29日午後、富山市

 北陸電力が38年ぶりの値上げに踏み切る背景には、志賀原発1、2号機(石川県)の長期停止がある。一般家庭のうち値上げ対象となるオール電化住宅向けプランは、志賀原発の稼働を前提として夜間の電気料金を低く設定したもの。経営努力で低料金を維持してきたが、再稼働の見通しは立たず、消費者に負担を求めることで収支の改善を図る。

 ⇒【画像】住宅への影響は

 2011年3月の東京電力福島第1原発事故以降、原発の長期停止により電力各社は厳しい経営が続き、値上げが相次いだ。

 北陸電は人件費や資材調達費用の削減などで経営効率化を図り、黒字を確保してきた。しかし17年3月期は退職給付費用の増加などにより連結の純損益は6億円の赤字となった。18年3月期はさらに20億円程度の経営効率化を目指しているものの、老朽施設の修繕費などがかさみ連結の純損益は2年連続の赤字を予想。単体の経常損益は80億円の赤字(前期は32億円の赤字)を見込んでいる。

 福井市の県繊協ビルで記者会見した佐々木輝明・執行役員福井支店長は「聖域を設けずさらなる効率化に努める」と強調。来年度以降は役員報酬削減や福利厚生制度の見直しなどで90億円のコストカットを計画しているという。

 値上げ後も全国の電力会社の料金に比べ低い水準は保たれるとしている。志賀原発が再稼働した際の値下げについては「その時の収支や需給状況を見極めて判断することになる」とするにとどめた。

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