人手不足が進む除雪車のオペレーターを育成しようと開かれた講習会。福井県内の約60人が運転技術を学んだ=22日、福井県南越前町の今庄365スキー場

 「川の堤防はみるみる崩れ、田んぼはまるで湖。橋は渡れず、2階に避難するしかなかった」。2004年の福井豪雨で自宅が床上浸水した福井県鯖江市の林浅男さん(66)は振り返る。

 大規模災害ほど公的支援は遅れがち。被災し、職場や地域のつながりの大切さに気付いた。「婦人会が炊き出しを行い、職場の仲間が自宅の泥かきや畳の運び出しをしてくれた。道の片付けは隣近所で協力し合った」。林さんは被災を機に、防災の知識を得て認定される民間資格「防災士」も取得。学校などに出向き、子どもたちに知識と「つながりの大切さ」を語り継いでいる。

 防災士に特別な権限はないが、資格を得て防災意識を高めた住民が多ければ、万一の際の地域連携はスムーズにいきやすい。県防災士会によると、県内の防災士は今年10月末で約2200人。東日本大震災以降、7市町で防災士団体も発足した。その一つ、鯖江市の「防災士ネットワークさばえ」の岸本直樹会長(49)は、「住民は地域の危険箇所や高齢者に関する情報に詳しい。災害時は行政に頼るのではなく、まずは自ら命を守り、近所同士で助け合う。普段からの付き合いが重要」と話す。

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 地域防災で中核を担うのは消防団員だ。消火活動が中心だった以前と違い、近年は災害時の避難所での支援も重視されるなど役割は幅広くなったが、全国的に人手不足が進む。昨年は約85万人で10年前に比べ5万人減った。

 幸いにも、福井県の消防団員は2017年に5809人で、年々増加傾向にある。特に女性団員増を重視した取り組みが進められ、県危機対策・防災課によると、17年4月で311人となり、07年に比べ5倍に増えた。同課は「災害時の後方支援や市民対象の防火、救命講習などで、地域に密着した女性の存在は大きい」と意義を語る。

 課題もある。現場へ瞬時に駆け付けにくい会社勤めの団員が増えていることだ。被雇用者の割合は10年前の65%から、現在は75%に上昇している。同課は「本年度から会社側に理解、協力を積極的に呼び掛けている」という。

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