西川知事に台風21号被害に対する支援を要請する福井県漁連の平野会長(左から2人目)ら=28日、福井県庁

 10月末に福井県を襲った超大型の台風21号による福井県内水産業の被害額が17億円を超えることが28日、分かった。定置網や養殖いけすの損壊に加え、防波堤が破壊されるなどの甚大な被害が明らかとなり同日、県漁連など水産3団体は県に対し、修繕費や経営再建に必要な助成金などの支援を強く訴えた。

 県内各漁協の報告を基に県がまとめた。これによると、被害額が10億円と最も大きいのは、高浜漁港の沖防波堤(全長110メートル、幅16メートル)で、高波により防波堤の巨大コンクリートが滑り動き、一部ずれるなどの被害が出た。復旧に向け、来月にも国の査定を受ける予定。

 定置網の被害は5億円で、福井市の鷹巣沖など県内全域で破損などの被害があった。網を引き上げないと分からないダメージもあるとみられ、被害額はさらに膨らむ可能性がある。また、若狭ふぐは小浜市内などで高波や漂着物により養殖いけすが損壊。6万3千匹が死ぬなどして約1億9千万円の被害があった。

 県漁連の平野仁彦会長、県信漁連の大音正和会長、県海水養魚協会の下亟(しもじょう)忠彦会長が28日、県庁で西川一誠知事に台風21号の被害を報告した。被害を受けた漁業者は収入が激減し、修繕などに多額の資金が必要になることから▽円滑な運転資金の確保▽損壊した定置網やいけすの修繕▽養殖業を継続するために必要な種苗購入―への支援を強く要請した。西川知事は、若狭ふぐの被害状況などを写真で確認し「一生懸命やっておられるので、しっかり応援、支援していく」と応じた。

 県漁連の平野会長は取材に「あまりにも被害がひどく、自力で再建できない漁業者も出てくる」と懸念を示し「若狭ふぐは嶺南の誘客食材であり、観光にも打撃を与える可能性がある。漁業者の経営の再建と継続に必要な助成金などをお願いしたい」と述べ、若狭ふぐを養殖する県海水養魚協の下亟会長は「小規模な漁業者は衰退している。何とか支援を」と切実だった。

 要請活動で県漁連は、海外展開も視野に入れた越前がにのさらなるブランド力向上に向け、国が地域の農林水産物や食品をブランドとして保護する「地理的表示(GI)保護制度」に、今月11日に登録申請したことを明らかにした。

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