絵本を朗読する参加者の大学生=福井県鯖江市の文化の館

ゆるパブメンバーの青山海里です。前回、僕が書かせていただいたコラム【答えを求めず自由な発想を尊重】でゆるパブが開催した「ゆるい哲学」について紹介しました。今回は、絵本を題材としてどういった発想が生まれたのか、ゆるい哲学の議論の様子を少し紹介したいと思います。

そもそも 「ゆるい哲学」 がどんなものだったかというと、語り手によって読まれた絵本の内容から湧いてくる問いを起点とし、参加者が自由に考え、意見を述べていくというものでした。

参加したのは20代から50代までの男女計12人。絵本は、誰も読んだことがないという理由で、林明子氏の『こんとあき』が選ばれました。あきとよばれる女の子が、きつねのぬいぐるみ「こん」とおばあちゃんの家に行くというのがこの絵本のストーリーです。

◇  ◇  ◇  

「こんは、ぬいぐるみなの?」

これが、まず最初にたてられた問いでした。きつねのぬいぐるみは絵本の中で女の子に言葉をかけたり、女の子と電車の中で手を繋いで立っていたりと、とても人間らしい仕草をしていたことから、この問いが思い浮かんだのでしょう。
これをきっかけに

「こんは、自分(あき)なのでは?」

という発想が出てきました。おばあちゃんの家までの道中、女の子はいろんなトラブルに巻き込まれます。その度に、ぬいぐるみは「だいじょうぶ、だいじょうぶ。」と、女の子に語りかけます。まるで女の子が、自分自身に言い聞かせているかのように感じられたのです。

「自分自身を安心させることは、次の一歩を踏み出す勇気みたいなものになるんじゃないか」

「自己肯定感を作る過程を描いた絵本なのでは?」

自分で自分を認めてあげる、肯定してあげるという「自己肯定感」。参加者たちの発想は、その自己肯定感を軸に、さらに大きな枠へと膨らんでいきました。

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