トークイベントで「編集」について語る藤本智士さん(右)=24日夜、福井市中央1丁目のコワーキングスペースsankaku

 地方を舞台に活躍する編集者の藤本智士さん(兵庫県在住)を招いたトークイベント「まちづくりと編集」が24日夜、福井市中央1丁目のコワーキングスペースsankakuで開かれた。藤本さんは“よそ者目線”を生かして秋田県発行のフリーペーパーを人気誌にした例などを挙げながら「編集力とは目指すべきビジョンを実現するための力」と呼び掛けた。

 藤本さんは「地方から全国に届けるメディアをつくろう」と、2006年に日本中を旅しながら製作する地方発の全国誌「Re:S(りす)」を創刊。12年からは秋田県発行のフリーペーパー「のんびり」の編集長を務めた。

 いろんな食材を棒寒天で固める秋田特有の食文化を「地域の人には普通でもよそ者にはスペシャル」と面白がり、誌面でルーツを徹底取材。長野県の棒寒天生産者と秋田県の消費者が対面する記事で共感を呼ぶだけでなく、関連商品やイベントも仕掛けて県内外から注目を集めた。

 藤本さんは「豊かな食卓を提供しようとビジョンを持つパン屋さんにとって、メディアはパン。メディアを豊かに考えれば、編集の意味は広がる」と説明。「何かしたいときに施すメディアは商品でもイベントでもよい。編集を身近にもっと引き寄せて考えて。究極のローカルメディアは自分自身」と語った。

 この日の会場が「まちづくりする記者」として活動する福井新聞まちづくり企画班の記者が手作りし、運営する場所であることにも触れ「企画班は新聞だけでなく、こういう『場』というメディアを持ち、そこに編集を施している」とエールを送った。

 会場には市民約30人が集まり、藤本さんのユーモアと熱のこもった話に熱心に耳を傾けていた。

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