【越山若水】積み上げると10メートルの高さになる。重さにすれば100キロだ。すごいと思うか、意外に大したことがないかはともかく「夢の10億円」とはこれくらいのボリュームだ▼年末ジャンボ宝くじがきょうから売り出される。1等と前後賞を合わせて10億円。華やかなのぼり旗に誘われて、ことし最後の運試しを楽しむ人も多いだろう▼磯田道(いそだみち)史(ふみ)著「日本史の内幕」(中公新書)によると、江戸時代からずっと宝くじが盛んなのは大坂。将軍のいる江戸が遠慮がちなのと対照的に、おおっぴらだった▼深紅ののぼり旗に「五百両」などと大書し、抽せん日は「今日興行」と太鼓を打ち鳴らして売り歩いた。当せん金も江戸は100両が普通。大坂はその10倍、1千両のがあった▼磯田さんによれば、1両はいまの30万円。当せん金500両なら1億5千万円だから、現代の宝くじの感覚に近い。が、運営側の取り分に当たる「控除率」がいまはかなり高い▼約55%も取られる。その多くは販売元の都道府県などの財源に回るので、いずれ何らかの形で還元される。とはいえ、当たる確率は低くなるからそんなに期待もしない▼宝くじの売上額は、ピークの2005年度には約1兆1千億円もあった。お札を積み上げれば富士山が縦に三つ並ぶほどだったが、16年度はエベレスト一つ分まで縮んだ。増収策を教わるなら、大阪の人がいい。

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