福井県内高校生を前に講演するロボット研究者の石黒浩教授=23日、福井市のユアーズホテルフクイ

 知能ロボット研究で知られる大阪大の石黒浩教授が23日、福井市内のホテルで開かれた大阪大福井県同窓会で講演した。開発した人間そっくりのアンドロイドの例を示しながら「人間を理解しないと、いいロボットは作れない。アンドロイドは人の心、存在とは何かを深く考えさせてくれる」と語り、ロボットと人間の区別がなくなっていく未来の姿を予測した。

 石黒教授は「常に『人間とは何か』を考えながら研究している」と強調。アンドロイドに演技をさせた演劇のプロジェクトでは「観客全員が人間らしい心を感じたが、ロボットの中には簡単なプログラムがあるだけ。アンドロイドは人間とは何かを考えるヒントをくれる」と語った。

 「人間の活動を支える技術の割合は、時代とともに大きくなっている。パラリンピックの選手は、道具を使って健常者以上のプレーができるようになった。もはや生身の体は人間の定義に必要な要件ではない」と指摘し、1千年後には「人間は体も脳も機械化し、無機物の知的生命体になっているかも」と大胆な仮説を披露した。

 大阪大県同窓会は地域貢献に資する組織を目指して昨年発足。ロボット研究の最先端に触れてもらおうと、講演に県内の高校生約50人を招待した。高校生たちは「ロボットの知能が人間を超えたらどうなる」などと活発に質問していた。

関連記事
あわせて読みたい