子どもに無料で弁当を提供するための募金箱を設置した「気比の里」=10月、福井県敦賀市鋳物師町

 弁当を買う際に募金すると、その分で子どもに弁当を無料提供する取り組みが、福井県敦賀市内で広がっている。現在は4店舗で、レジカウンターには「こどものつながるごはん」と書かれた募金箱が置かれている。店主たちは「子どもたちに元気に育ってもらいたい」と話している。

 取り組んでいるのは中央町2丁目の「珈琲家(こーひーや)」、鋳物師町の「気比の里」、新松島町の「おむすびや穂んのり」、神楽町2丁目の「フジパン神楽店」。子どもに無料で食事を提供している同市の市民団体「こども食堂 青空」の呼び掛けで10月中旬から取り組んでいる。低所得世帯で、満足に食事を取ることができない子どもに利用してもらうのが狙い。

 利用したくても口に出しにくい子ども心を考慮し、店の入り口には4・5センチ四方の「こどもカード」を置いた。子どもはそれを持って弁当を選び、店員に渡す。原則1人1個、1世帯1個。店側は利用状況をノートに書き留めるなどして記録。定期的に「青空」が募金箱を預かり、店に売り上げ分を渡す。全てが善意によって成り立つシステムだ。4店舗とも募金は集まり始めている。

 気比の里の大島昇治社長(42)は「店の前は通学路になっていて、塾に行く前の小学生や部活帰りの高校生なども利用する。多くの子どもに知ってほしい」、穂んのりの藤森和明店長(49)は「課題はあるかもしれないが、とにかくやってみることが大事。利用した子どもに『またおいでよ』と声を掛けられるような関係になれれば」と話す。利用者は出始めており、ある小学生の母親は「こういう取り組みは助かる」と喜んでいたという。

 青空は今年の夏休み期間中、珈琲家で試験的に同様の取り組みを行った。中村幸恵代表(51)は「活動を通じて『社会全体で見守っているよ』というメッセージを子どもに届けたい」と話している。

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