敦賀市に寄贈された竹杖(上)と蕉翁宿句帖=21日、福井県敦賀市役所

 俳聖松尾芭蕉が敦賀を訪れた際、宿泊した出雲屋に譲ったとされる竹杖(福井県敦賀市指定文化財)など史料7点が21日、敦賀市に寄贈された。市内で歯科医を営んでいた故玉井昭三さんが所蔵していたもので、長男の顯さん(63)が市役所を訪れ「敦賀を盛り上げるために活用してほしい」と話した。

 「杖措きの地」として知られる敦賀は、1689(元禄2)年のおくのほそ道の旅で、芭蕉が最後の目的地として訪れた。4日間ほど敦賀に滞在し、出雲屋に杖とかさを譲り渡したとされる。

 戦後、県外の古道具店が杖を購入しに来た話を聞きつけた昭三さんが、市外への流出から守るために購入した。つえは1964年に市文化財に指定され、大切に保管されてきた。昨年10月に昭三さんが亡くなったことから、顯さんが家族と相談し寄贈を決めたという。

 寄贈を受けて渕上隆信市長は「敦賀にとどめていただいて本当に感謝している。市民の皆さんにもしっかりと広報していきたい」と話した。

 芭蕉関連の史料は6点で、竹杖をはじめ、出雲屋を引き継いだ富士屋を訪れた俳人が敦賀で詠んだ句をまとめた「蕉翁宿句帖(しょうおうやどくちょう)」や、富士屋に掲げられた「蕉翁宿額」、敦賀の俳人の短冊などが貼り込まれた「蕉翁宿屏風」など。ほかに甲冑が寄贈された。

 市立博物館では12月6日まで、芭蕉に関する資料などを集めたテーマ展「『おくのほそ道』と俳諧関係資料展」が開かれている。今回市に寄贈された竹杖をはじめとした富士屋関係資料や、敦賀の俳人による芭蕉の研究資料などが並んでいる。23日午前11時からと12月2日午後1時からは、同館の高早恵美学芸員による特別展示解説が行われる。

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