サバ養殖を効率化するため、海中の塩分濃度などを測り、いけす周辺のデータを送信する通信機器(手前)=20日、福井県小浜市役所

 刺し身でも食べられるサバの養殖に取り組む福井県小浜市などは20日、IoT(モノのインターネット)技術を活用し、効率化を図る新事業の詳細を発表した。海中の水温や酸素・塩分濃度を自動的に集計し、海上に出なくても、いけすの状況が把握できるようにする。えさをやる記録も情報端末でデータ化し、漁業者の勘だけに頼らないノウハウを蓄積していく。

 この事業は「鯖復活プロジェクト」と銘打ち養殖事業を推進している同市をはじめ、サバ料理専門店を展開する「鯖やグループ」や福井県立大、市漁協、KDDIの産学官5者が連携して取り組む。総務省の「地域IoT実装推進事業」に採択され、本年度の事業費は約1600万円。市やKDDIによると、同様のIoT技術はナマコ漁や定置網漁に活用され始めたが、サバ養殖では全国初の試みという。

 事業では「うみのアメダス」と呼ばれるソーラーパネルとセンサーを備えた通信機器をいけす付近に設置し、水温や酸素、塩分の濃度を1時間おきに自動計測する。データはモバイル回線でサーバーへ送信されるため、陸上からでも状況が確認できる。

 また「デジタル操業日誌」では、給餌の時刻や量などを漁業者が情報端末を介してサーバーに記録。計画と実績を照合しながら修正を重ね、効果的なマニュアルづくりに役立てる。

 サバ養殖3季目に入る本年度は、同市田烏の海上にある9基のいけす付近に通信機器2基を設置。来年2月から約2万匹の養殖で活用する。

 20日に市役所で開かれた記者会見には、5者の代表者が出席。松崎晃治市長らは「養殖サバの量を増やして持続させるには、効率化が不可欠。ほかの魚種の養殖に応用されることにも期待している」などと述べた。

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