仕入れた福井県産ソバを保管する斉藤製粉所の倉庫。今年産は例年の6割程度の入荷にとどまる見込みという=20日、福井市下河北町

 夏と秋に福井県内を直撃、接近した台風の影響で、2017年産の福井県産ソバの収穫量が大幅に落ち込む見通しだ。JA福井県経済連は、県内各農家からの集荷量は昨年産の3割程度になるとみており、地元産にこだわるそば店や製粉業者は県産ソバの確保に苦慮している。価格の高騰も予想され、消費が増える年末に向け影響は広がりそうだ。

 JA福井県中央会によると、県内のソバのほ場は約3600ヘクタール。今年は7月下旬ごろから種まきが始まったが、8月8日に県内を直撃した台風5号によって広い範囲で激しい雨に見舞われ、多くのほ場で発芽不良が発生した。種をまき直したほ場もあったが、その後も雨の日が続き、立ち枯れの被害もでた。

 さらに収穫期直前の10月22、23日には超大型の台風21号が福井県に接近。県内全域で強風と大雨に見舞われ、倒伏や実が落ちる被害が発生した。JA県経済連は、今年産の集荷量は昨年産(約470トン)の3割程度にとどまるとみている。

 「不作の年は何年かに一度あるが、今年は過去にないぐらいひどい状況」と頭を抱えるのは、カガセイフン(福井市)の加賀健太郎社長。例年は年間70~80トンの県産ソバを仕入れるが、今年は10~15トンを見込む。不足分は北海道など他の国内産とブレンドして販売するなどの対応をとっているという。

 県産ソバの価格は、他産地の相場や需給状況などから12月中旬ごろに決まる見込みだが、加賀社長は「昨年産の1・5~2倍程度になるのでは」とみている。

 「県産のソバは全国でもトップレベルの品質」と話すのは斉藤製粉所(同市)の齊藤稔社長。県産の確保に奔走するが、例年の6割程度にとどまる見込みという。他産地のそば粉とブレンドして販売している商品の福井県産の割合を減らして、「できるだけ県産100%として売る分を確保したい」(齊藤社長)としている。

 一方、県産そば粉を使っているそば店も苦慮している。坂井市丸岡町産のソバにこだわって営業する大宮亭(同市)の本谷充店主は「例年は年間約11トンを仕入れているが、今年確保できたのは約7トン」と話す。県内の他産地からの仕入れを模索しているが、「どこも収量が少なく、なかなか譲ってもらえない」(本谷店主)状況という。

 年内は丸岡町産での提供を続けるが、年明けからは県外産を1~2割混ぜて使わざるを得ない状況。ソバの仕入れ値は高くなる見込みだが、本谷店主は「お客さんに負担を求めるわけにはいかない」と、値段は据え置く方針だ。

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