【越山若水】びろうな話、と遠ざけるわけにはいかないようだ。都道府県立高校のトイレの洋式化が進んでいないという。全国平均でまだ35・8%。小中学校以上に遅れている▼問題はいくつかある。一般家庭は洋式が主流なのに、学校の多くが和式で「汚い、臭い、暗い」の3K。このため排せつを我慢してしまう子どもが少なくない▼災害のとき、学校は地域住民の避難所になることもしばしばだ。トイレが和式では、しゃがめないお年寄りは使えない。熊本地震でも報告された切実な実態である▼腰掛ける洋式は衛生面でも勝るらしい。和式でも例えば床をタイル張りにし、水で洗えば清潔だ、というのは早計。和式便器の周囲からは大腸菌が検出される場合も多いという▼世界に目を向けよう。約9億人が野外で用を足すことを余儀なくされている。この結果、感染症や下痢などが広がり、生まれたばかりの子を中心に毎年、多数の人が命を落とす▼そんな悲劇をなくそうと2011年に設立されたのが非営利団体の「世界トイレ機関」だ。おととい11月19日が設立の日に当たり「世界トイレの日」と定められている▼日本で当たり前になった洗浄機付き暖房便座は西洋人も目を見張る「クールジャパン」。分類の上では洋式になるのだろうが、いまや世界最先端の「日本式」。学校で普及させ、世界へも広める気概を持ちたい。

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