【論説】ショッピングセンター(SC)、百貨店、商店街…。業態の違う福井市内の商業者が連携して販売促進活動に取り組み、地域の商業を盛り上げていこうという動きが出てきた。その名も「オールフクイ実行委員会」。どんな相乗効果が生まれるか、要注目だ。

 西武福井店、エルパ、ベル、パリオシティ、福井市商店街連合会、JR福井駅周辺の販促組織「エキマエモール」、ヤスサキ、福井商工会議所の8者が参加する。当面の活動として、無料通信アプリ「LINE(ライン)」で週2回、各店舗のお得情報やイベント告知を配信する。共同で新聞広告を掲載したり、母の日や大型連休など節目のタイミングで連携キャンペーンも展開するという。

 実行委は、昨年10月に西武福井店、エルパ、パリオシティ、ベルがハロウィーンにちなんだ共同販促を実施した取り組みが母体となる。福井市の呼びかけで商店街なども巻き込んで組織を拡大し、新たな形でスタートを切った。

 結成の背景には、商業界を取り巻く厳しい環境の変化がある。インターネット通販の普及で、店舗に足を運ばなくても気軽に商品を購入できるようになった。人口減少の中、消費低迷も懸念されている。ここ最近、近隣県で相次ぐ大型商業施設の進出も、福井県内の商業界が危機感を強める要因となっている。

 2015年7月、北陸地方では初となるアウトレットモールが富山県小矢部市にオープンした。同年8月には、米国生まれの倉庫型量販店「コストコ」が石川県野々市市と富山県射水市に開業し、福井からも多くの買い物客が訪れている。

 さらに今年3月に石川県小松市にオープンした「イオンモール新小松」は、明らかに福井を商圏の一部としてとらえている。福井商工会議所が福井市内の男女に実施したアンケートでは、6月までに同店に「行った」と回答した割合は43・6%。このうち65・6%が「また行きたい」と答えた。同店が福井県内の消費者に対して一定の集客力を持つことが、データで裏付けられた。

 実行委に参加するSCや百貨店、商店街は、本来なら互いにしのぎを削ってお客さんを獲得し合う立場。その“ライバル”同士が手を携えて販促活動を展開するのは、相当勇気が必要だったと察する。それだけ各商業者が、現状に危機感を抱いている表れだろう。

 1店舗ではできなくても、多店舗が力を合わせればできることはたくさんある。消費者に利点のある取り組みなら、きっと大きな反響になって返ってくるはずだ。連携の相乗効果を最大限に生かし、福井の商業界を盛り上げてほしい。
 

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