室坂一美容疑者の自宅を調べる捜査員=17日午前10時20分ごろ、福井県勝山市

 福井県勝山市で元妻の母親・松山としさん(84)の頭を金づちで殴打し、殺害するという凶行に及んだ室坂一美容疑者(62)は、市内で同居していた実の両親にも暴力を振るっていたらしい。地元では自転車を燃やしたり、下着姿で徘徊したりするなど異様な行動も目撃されている。近所付き合いは悪く、地域でも家族内でも孤立を深めていった様子が浮かび上がる。

 室坂容疑者は2009年に離婚し、実家に戻っていた。知人によると、暴力を振るわれた母親がまず市外の親戚宅へ身を寄せた。今春その母が亡くなると父親にも暴力を振るうようになったらしく、「殺されるかもしれない」「暴力的でどもならん」と聞いた人もいる。

 自宅は「維持できない」として最近、大幅に改修して小さくしていた。同じころ父親も知人や親戚を頼るようになり、同容疑者は1人で自宅に住んでいたとみられる。

 一斉清掃など町内活動に参加することはなく、住民の多くが「付き合いはほとんどなかった」と話す。自転車やスコップを燃やしたり下着姿で歩き回ったりしていたといい、「近寄らんとこうと思った」と口をそろえた。夏には近くの川で体を洗う様子も目撃されている。

 元妻(60)は8年前の離婚前後、室坂容疑者から金を無心されたり、車庫のシャッターを開け車に傷を付けられたりするなどトラブルに巻き込まれていたようで、勝山署にも数回相談していた。

 ただ、離婚前に夫婦で暮らしていた地域の住民は奇行を目にしたり、トラブルに巻き込まれたりしたことはないと証言。かつて同容疑者の会社の同僚だった60代男性も「おとなしく、いさかいを起こすような人ではなかった。会社を辞めてから何があったのか」といぶかしんだ。

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