福井県池田町立池田中の校舎=11月13日

 福井県池田町池田中で今年3月、2年生の男子生徒=当時(14)=が自殺した問題を受け、同校で再発防止に向けた取り組みが進められている。調査委による報告書の公開から1カ月を迎えた15日、母親は取材に対し「息子と同じようなことがもう起きないために、学校や教育現場が変わっていくのを見ていきたい」と話した。

 町教委などによると、「宿題が多い」という保護者や生徒の声が前からあり、4月以降、各教員がその日出した宿題を学年ごとに職員室内のホワイトボードに書き込むようにした。情報を共有し、1日の宿題の量が過大にならないようにするため。心と体の状態を把握するチェックシートは4月から週1回、全校生徒に配布。報告書の公表後は毎日終礼を行い、生徒の様子を報告し合っている。教員の一人は「教職員みんなで生徒一人一人を見ようという意識がこれまで以上に高くなった」と話す。

 月命日の今月14日は、生徒玄関近くの廊下に献花台を設置。そばに同級生の3年生20人が書いたメッセージを飾り、生徒や保護者がそれぞれの思いを胸に手を合わせ、花やお菓子を供えた。同日夕には、3年生5人や教員が遺族に届け、男子生徒の自宅和室にある遺影のそばに飾られている。献花台は生徒が卒業するはずだった来年3月まで月命日に設け、3年生が交代でお供えの品を遺族に届けることにしている。

 教職員の処分については、担任、副担任を含む全教職員を対象に検討されており、町教委が年内に県教委に内申する見込み。処分に関して母親は「何も望んでいない。息子が戻ってくるわけではないし、どうなっても納得できないと思うから」と言葉少なだった。同町は町長や教育長、教育委員らが出席する総合教育会議を年内にも開き、再発防止策を話し合う予定だ。

 生徒らから届けられた花を花瓶に生ける途中、母親は「(学校や教育現場では)考えなければいけない、改善しなければいけないことがまだまだあると思う。報告書をきっかけに良くなっていくのを見届けたい」と目を潤ませた。

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