カメラを向け、天空の城の出現を待つエルムランさん=大野市犬山

 越前大野城、世界へー。福井県大野市街地にそびえる城が雲海に浮かんだように見える“天空の城”が、フランスやドイツなど世界の数カ国で放送されるテレビの旅番組で紹介される。両国共同出資のテレビ局がこのほど、同市犬山にある撮影スポットを訪れ、撮影に挑んだ。

 フランス語、ドイツ語圏で世界各地の名所を紹介する番組で、日本国内では宮崎駿監督の映画の舞台を想像させる場所や宮崎監督が実際に参考にしたとされる所を取り上げる。大野城は「天空の城ラピュタ」にちなみ白羽の矢が立った。

 10月下旬、東京を拠点に映像を配信するテレビ局「メディアーツ」の2人が撮影スポットに訪れた。カメラマン兼ディレクターのエルムラン・フランソワさんが写真愛好家らに交じり、雲海が立ちこめる景色にカメラを向けた。

 国内で天空の城として知られるのは、越前大野城や備中松山城(岡山県)、竹田城跡(兵庫県)などがある。「大野城はしっかり城が見える。他に比べて、まだあまり知られていないのも魅力の一つ」と素材に選んだ。

 天空の城は秋から春にかけ、湿度や風など気象条件がそろった日に出現する。2人が訪れた日、撮影スポットでは市内をはじめ和歌山県、神奈川県など県内外からの70人余りが刻々と変わる霧の流れに一喜一憂した。

 天空の城は午前3時半ごろに約10分間現れたものの、その後は霧が晴れず多くの来場者はお預けに。エルムランさんもタイミングを逃したが、資料映像や越前大野城で撮影した映像で対応する。

 市によると越前大野城が海外でテレビ放送されるのは台湾に続いて2例目。市の担当者は「大野は食文化や生活スタイルなど古き良き日本の文化が残っている。城をきっかけに海外の人に目を向けてもらい、大野の魅力を感じてもらえたら」と期待を寄せた。

 番組は「もののけ姫」のモデルとなった屋久島(鹿児島県)などと合わせ、この冬に放送される予定。

 

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