福井高専生と福井新聞記者が打ち上げたスペースバルーンで、成層圏から撮影された画像=15日

 福井高専生5人と福井新聞の記者3人が挑んだスペースバルーンプロジェクト「ふーせん宇宙船」(鯖江精機、ナカテック特別協力)は10月15日、高度3万メートルから見える地球や宇宙の撮影に成功した。低温、真空、浸水、パラシュート、法律…。立ちはだかった壁は数知れず、実験用の試作機も含めて計15機の機体を製作。約7カ月間、全員で試行錯誤を繰り返してきた末につかんだ成果だった。活動の軌跡と、沖縄県宮古島市での打ち上げ当日の動きを振り返る。

 ⇒緑の恐竜、ぐんぐん3万mに到達

 プロジェクトは今年3月にスタートした。宇宙に近い環境に風船やカメラを飛ばすことは、全員にとって未知の世界。まずは「宇宙に近いとはどんな環境か」を調べ、どう工夫すればよいか考えた。自分たちなりの仮説を基に実験や考察を繰り返し、一歩ずつ進んでいった。

 製作で頭を悩ませたのは、低温対策だった。高度3万メートルに達するまでには、最低気温がマイナス80度以下の地点もある。景色をはっきり撮影するにはレンズを露出する必要があり、カメラなどの機材をどう守るか。箱で覆う方法などを検討し、最終的には薄いシート状のヒーターで機器を温める案に行き着いた。ドライアイスで冷やした箱の中に機体を入れる実験で有効性を確認した。

 浸水に関する対策は、誤ったまま進めてしまった。機体は海上に着水させて回収するため、海水から機器を守らなければならない。発泡スチロール製の機体を密閉して浸水を防げば大丈夫と考えていたが、甘かった。助言を受けてきたスペースバルーンの国内第一人者・岩谷圭介さん(31)=北海道=は「必ず浸水します」。厳しいひと言。

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