福井県勝山市北谷町の特産として人気が高い鯖の熟れ鮨し。サバの高騰でこの冬は製造を断念した=2016年11月

 福井県勝山市北谷町に伝わる冬の伝統保存食「鯖の熟れ鮨し(さばのなれずし)」を作る地元グループが、原材料のサバの高騰を受けこの冬の製造を断念することを決めた。サバの仕入れ値は昨年の2倍近くとなり、関係者は「予算を大幅にオーバー、もはや買い入れができなくなった」と話している。

 「鯖の熟れ鮨し」は背開きしたサバの腹に、酢飯と麹を詰めて発酵させる同市北谷町の伝統食。地元有志約10人が「勝山・北谷ブランド」として2005年、本格生産に向け企業組合の加工グループを結成。冬に市内で開かれる年の市や勝山左義長まつりで販売し、行列ができるほどの名物となっている。昨年は2400匹を販売した。

 加工グループの小林信男理事長(77)によると、サバは今年、千葉県から仕入れる予定だったが不漁で昨年より1匹当たり250円ほど値上がりした。「ここまで上昇すると(商品の)値上げもできず、製造を諦めざるを得ない」といい、コメなど他の原材料の仕入れもキャンセルしたという。

 水産物卸売業の福井中央魚市(本社福井市)によると近年、サバは全国的に不漁で値段が上昇している。原因については「暖流が強くなっていることや温暖化など複合的な要因があるのではないか」としている。

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