蛇口から出る水に笑顔を見せるウラホー村の子どもたち=9月、東ティモール(福井県大野市提供)

 福井県大野市の支援で東南アジアの島国、東ティモールで建設が進んでいた給水施設が完成しこのほど、現地で市関係者らが出席し式典が開かれた。二つの村で110を超す世帯や学校に水の供給が始まり、現地の村人からは大野市民への感謝の言葉が飛び交ったという。

 自然が育む水の恩恵を受ける市は、その“恩返し”として「キャリングウオータープロジェクト」を企画。市民らから資金を募り2016年度から3年間、年間約1千万円を日本ユニセフ協会を通して支援している。年間2基の重力式給水施設を建設し、19年には計6基が整備される予定。

 初の完成となった今回は、谷間にある「エルメラ県ウラホー村」と、標高約2千メートル地点に広がる「アイナロ県ムロ村」に建設された。今年1月に工事が始まり、水が湧き出る山中に貯水タンクや浄水装置を整備。地中で給水管を枝分かれさせ、村内に計22カ所の水場を新設した。117世帯671人と2小学校、診療所に供給されている。

 同国は水環境が劣悪な地域。ウラホー村では子どもらが約4キロ先の山にある湧水地に通い生活用水をくんでいた。供給後は遠方への水くみから解放され、学校に通う子どもも増加。校舎が増築されるなど環境の変化が見られたという。

 9月22~30日、今洋佑大野副市長ら市の3人が現地に出向き、両村で開通式典に出席。それぞれ県知事や公共事業省水道局の役人、村人らが大勢集まり完成を祝った。村人らは口々に「日々の水くみから解放された」「体や服をきれいに洗えるようになった」と喜んだという。

 市の担当者は「蛇口からきれいな水が出ることは当たり前ではない。これまで我慢していた思いがあふれるような喜びが伝わってきた」と話していた。

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