希望の党ののぼりが立つ民進党福井県連事務所=27日、福井市大手2丁目

 先の衆院選で民進党が分裂し全国の地方組織が揺れる中、福井県連の三役が27日、今後の対応を協議し、県連組織の存続に向けて調整することで一致した。党本部も同日、両院議員総会で地方組織も含めた党の存続を確認した。ただ、衆院選で県連が全面的に支援し、復活当選を果たした斉木武志氏は希望の党所属だけに、県連の一部には「衆院議員のいない県内政党に将来展望はあるのか」などと疑問視する声もある。

 ■「まとまりが大事」

 27日午前、民進県連の三役を務める県議3人が福井市内で会合の場を持った。「これまでの民進県連を大事にし、希望の県連組織の立ち上げには関わらない」。会合後、山本正雄代表は福井新聞の取材にこう答えた。辻一憲幹事長も「県連は残していくのがいいと思っている。個々人の判断はあるが、まとまることが大事だ」と強調した。県会第2会派の「民進・みらい」も存続する方向とみられる。

 立憲民主党に政治スタンスが近いとして、衆院選後の入党を示唆していた野田富久副代表も民進県連が存続する方向となったことから離党しない考えを明らかにした。「選挙前は、民進県連がなくなるなら、(希望か立憲民主の)二つの選択肢しかないので立憲民主入りを考えた。民進県連が残るのだから、そこで最後まで頑張る」と語った。

 ■「野党再々編見極め」

 揺り戻しの背景には何があったのか―。

 民進県連は、衆院選で「民進が希望に完全合流する」との前提で、希望の公認候補を支援する選挙戦を展開した。民進出身で希望公認の斉木氏が、県内の非自民系としては8年ぶりの議席を獲得した。だが希望は失速で野党第2党にとどまったため、前原誠司民進代表は党と地方組織存続への方針転換を余儀なくされ、県連も軌道修正を図る形となった。30日の全国幹事長会議で党の方針が伝えられた後、正式協議することになる。

 民進に所属する県内複数の地方議員は、県連三役の考えと同じく「当面は県連を存続させて静観し、中央の野党再々編を見極めた方がいい」とのスタンスだ。「岡田克也元代表ら無所属グループが民進回帰の動きをすれば、希望は分裂するのでは」(県連関係者)との見方がある。

 ■「解党的出直しを」

 民進県連の存続に疑問の声もある。関係者の一人は「参院議員しか残っていないのに民進の地方組織を維持しても将来展望がない」ときっぱり。「民進の地方組織が参院選は自前の候補、衆院選は希望の候補で戦うのは県民の理解を得られない」と語る。別の関係者も「地方組織も解党的出直しをすべきだ。決めきれない民進の悪いところが出ている」とため息をつく。

 希望の県連組織発足を望む声もある。1区希望公認の鈴木宏治氏をバックアップした民進県連関係者は「希望の国会議員が誕生したのだから、希望の県連組織はできるだろう。斉木氏の手腕に期待したい」とする。

 別の地方議員からは野党第1党となった立憲民主の県連組織発足にエネルギーを注いだ方がいいとの意見もある。

 民進最大の支持母体である連合の神津里季生会長は坂井市内での26日の記者会見で、斉木氏の当選を評価した上で、野党の力を発揮するため、民進県連以外に立憲民主、希望の地方組織が発足しても「連携関係を持ってほしい」と注文した。民進県連三役は「政党は別でも、地域の課題解決や要望を実現するため、斉木氏の活動は支援する」と口をそろえる。ただ、三役の一人は「民進県連が苦労して擁立した候補が、希望の国会議員になったのは皮肉な話だ」と自虐的に語った。

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