【越山若水】定期的に病院にかかり、薬局で薬を受け取っている。初めは血圧を下げる降圧剤だけだったのが、10年近くたったいまは5種類に。飲むたび加齢を思い寂しくなる▼そんな小さな感傷を寄せ付けないニュースである。がん治療などに用いる新薬の価格を、国は費用対効果で決める方針だという。当然のようでいて難しい話だ▼週刊誌で脚光を浴びた、がん治療薬でみると理解が早いかもしれない。この薬を使うと患者1人で年間千数百万円もの医療費がかかるとされる。大変な高額である▼3割負担の人だと患者が300万円以上を払い、公的医療費から残り700万円以上が支払われるということになる。患者はもちろん大変。一方の医療保険財政もピンチである▼がんは、いまや誰もが当たり前にかかる病気だからだ。薬は安いに越したことはない。けれど抑えすぎれば、多額の費用が必要な新薬の開発が遅れ救われない患者も出かねない▼ではどうやって薬価を決めるか。1年間延命するのにかかる費用と効果をほかの薬と比べ、500万円以上高ければ下げる。それが今回の答えだ▼参考にもならないけれど、筆者の薬にかかる医療費を計算してみた。先日は2600円を払った。3割負担なので、残り7割の6千円ほどは健康保険のお世話になる。年間では7万円超。保険料はもっと納めているが、胸は張れない。

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