宮原組事務所の使用差し止め仮処分の公示書を貼る執行官(右)=20日、福井市有楽町

 福井県敦賀市本町1丁目にある暴力団正木組の事務所と、福井市有楽町にある暴力団宮原組の事務所について福井地裁は20日、組事務所としての使用を禁止する仮処分を決定した。県暴力追放センターが周辺住民に代わって原告となる代理訴訟制度を使い申し立てていた。同制度で複数の暴力団事務所が同時に使用禁止となる決定は全国で初めて。

 正木組は、2015年8月の指定暴力団山口組の分裂で結成された指定暴力団神戸山口組の2次団体で、宮原組は山口組の3次団体。福井地裁の執行官や県警組織犯罪対策課員ら約30人が20日、両事務所に出向き、禁止事項として▽定例会や儀式を行う▽構成員を立ち入らせる▽連絡員を常駐する▽外壁に紋章や表札を設置する―を明記した公示書を執行官がフェンスや扉に貼り付けた。

 山口組と神戸山口組は対立抗争状態にあり、16年2月には、正木組の事務所に銃弾が撃ち込まれ、実行犯の山口組系の組員が現行犯逮捕される事件があった。さらに発砲を指示したとして宮原組の組長が逮捕され、福井地裁が共謀を認定、懲役7年の実刑判決=控訴審中=を受けた。

 申し立てでは、正木組事務所の周辺住民は発砲事件で実際に安全が脅かされ、宮原組事務所の周辺住民は発砲事件に対する報復に巻き込まれる恐れがあるとして、ともに平穏に暮らせる人格権が侵害されていると主張、組事務所の使用差し止めを求めていた。

 両組事務所の周辺住民が、同センターに仮処分申請を委託していた。
 

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