30代前半から体の全身にかゆみが出て、35歳のときに乾癬(かんせん)と診断されました。現在、別の持病で通っているクリニックで、アレルギーを抑える飲み薬と、ステロイドが入った軟膏(なんこう)を処方されています。良くも悪くも変化がありません。現在、レーザーや注射などさまざまな治療があると聞きます。副作用が少なく、有効な治療があったら教えてください。また、乾癬は完治する可能性はあるのか、完治が難しいならどのようなことに気をつけて生活したらよいかアドバイスをお願いします。(福井市、47歳男性)

 【お答えします】長谷川義典・福井県済生会病院皮膚科主任部長

 ■日本人千人に1人発症

 乾癬とは、白っぽいかさぶた状のものが付着した、紅色で斑(まだら)状の発疹が生じる皮膚疾患です。発疹の大きさや形はさまざまですが、頭皮、肘、膝、お尻、すねの辺りなど摩擦を受けやすい部位によくできます。爪が変形することもあります。関節の痛みや変形を伴うことがあると関節症性乾癬、発熱し皮膚病変部に膿(うみ)が付くようになった場合は膿疱(のうほう)性乾癬と呼びます。

 患者さんの悩みは「かゆみがあること」が最も多いのですが、皮膚病変が目立つため「温泉に行けない」など精神的なものも深刻です。乾癬はその読み方から感染すると誤解されやすいですが、うつることはありません。

 日本ではおよそ千人に1人の割合で発生するといわれており、決して少なくありません。白人では100人に2?3人の割合で発生するとされ、日本人より頻度が高いことが知られています。

 ■重症の場合「生物学的製剤」有効

 原因についてですが、まだ完全に分かっていません。乾癬になりやすい遺伝的体質があることは分かっていますが、それに加え環境的な要因、例えばストレス、肥満や飲酒、たばこ、特殊な薬などが悪化因子となります。

 治療は通常、外用薬から始めます。外用薬はステロイド外用薬、ビタミンD3外用薬が主に使われます。ただ、症状が治まらない場合、内服薬としてエトレチナート、シクロスポリン、アプレミラストなどを検討します。医療用の紫外線を照射する治療もあります。

 これらの治療を行っても十分な効果が得られない場合や重症の場合は「生物学的製剤」という分類の注射あるいは点滴による治療が選択できます。高価な薬ですが、病変を誘発する過剰な免疫反応を抑えて、症状を劇的に改善させます。ただし、正常な免疫も抑えてしまうことも考えられ、定期的な検査が必要となり、指定された病院の受診が必要です。

 現在のところ、乾癬を完治させることは難しいですが、生活習慣の見直しや、自身の病状に適した治療を選択できるように皮膚科専門医に相談してください。

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