架空請求詐欺に注意を促すチラシを見せるコンビニ店員=福井市内

 特殊詐欺の被害額が今年、福井県内で過去最悪に迫っている。全国でも警察庁は今年1~6月で約186億円の被害を把握。警察や金融機関などが対策を進めているが、新たな手口を次々と繰り出す犯人側と“いたちごっこ”が続き、被害が終息する気配はない。安全安心な社会に向け、取り組み強化を国に求める声は強まっている。

 「母は自分を心配して、なけなしのお金を払ってくれた」。オレオレ詐欺で200万円の被害に遭った県内の70代女性の長男は、事情を知り涙が出そうになった。

 女性は固定電話で、長男が仕事のトラブルで至急まとまった金が必要になったと告げられた。慌ててタクシーで金融機関に行って預金を引き出し、代理人を名乗る男に自宅近くで手渡した。

 長男は「金融機関の窓口の人にピンときてほしかった。何のために引き出すのか聞いてほしかった」と話す。固定電話は、警告を発した上で通話を録音する機種に替えた。「行政は購入費を助成してはどうか」と提案する。

 県警によると、県内では今年1~9月、金融機関の窓口職員やコンビニの店員らの声掛けで66件約8850万円の被害を食い止めている。それでも県内の被害は64件に上り統計上比較できる2011年以降で過去最悪。被害額も約2億2490万円で、最悪だった14年の約2億8540万円に迫っている。

関連記事
あわせて読みたい