男子生徒の自殺を厳しい指導、叱責が原因と結論づけた調査委の報告書

 福井県池田町池田中で今年3月、2年生の男子生徒=当時(14)=が校舎から飛び降り自殺した問題で、担任らの男子生徒に対する叱責は、近くにいた生徒が身震いするくらいの大声だったことが15日公表された調査委員会の報告書から分かった。担任と副担任による再三の厳しい指導や叱責に、男子生徒は昨年5月以降、3度にわたり、母親に登校を拒んでいたとも記されている。

 担任に早退を願い出たり、過呼吸の症状を訴えたり、学校のトイレにこもるなど、男子生徒が心身ともに追い詰められていく様子がうかがえる。

 報告書によると、男子生徒は自殺した3月14日の直前の7日朝、母親に「学校に行きたくない」と訴えた。理由を尋ねると「僕だけ強く怒られる」と泣きながら訴えたという。登校を渋る言動は2月21日、昨年5月26日にもあった。

 昨年10月、男子生徒はマラソン大会の伴走ボランティアの実行委員長に選任されたが、あいさつの準備遅れを理由に担任に校門前で怒鳴られた。目撃した生徒が「(聞いている者が)身震いするくらい。彼がかわいそうと感じた」ほどの叱責だったという。

 同11月には宿題の提出遅れを指摘され、生徒会や部活動を理由にした男子生徒に、副担任が「宿題ができないなら、やらなくてよい」というと、「やらせてください」と土下座しようとしたとしている。今年1月ごろ、担任から生徒会を「お前辞めてもいいよ」と大声で怒鳴られたこともあった。

 自殺前日の13日にも宿題の提出を巡り副担任とのやりとりがあり、男子生徒が過呼吸の症状を訴えている。副担任から家庭への連絡を聞かれた担任は、必要はないと考え連絡せず、管理職にも報告しなかったという。

 報告書は「担任、副担任の双方から厳しい指導、叱責にさらされ続け逃げ場のない状況で、孤立感、絶望感を深め自死するに至った」と結論づけた。校長、教頭、他の教員についても「生徒の気持ちを理解し、適切に対応しなかった」と指摘している。

 同校では16日夕、全教職員12人が集まり、生徒の心のケアについて話し合った。保護者や報道関係者に報告書が公表されたことを受け、今週は毎日スクールカウンセラーによる相談を実施。全校生徒40人の話を聞く。

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