選挙ポスターを眺める若者。何を基準に一票を投じる?=11日、福井市大手3丁目

 「社会に出て感じるのは、若い世代が自覚を持って将来を考えるべきだということ」。今春就職した福井県内の19歳の社会人1年生は、高校生だった昨年より世の中の動きに敏感になった。福祉施設で働く社会人1年生の女性は「ニュースの内容が仕事と直結している」と、身近な問題に直面するようになり、初めての総選挙の一票は「必ず行使するつもり」と言う。

 福井市内の飲食店で働く男性(同市)は、働き始めてから、税金の使い道や自身の年金が将来どうなるかが気になり、スマートフォンで調べるようになった。就職を機に親元を離れ、1人暮らし。自分で買い物やマイカーローンの返済をするようになり「消費税8%って重いなって。10%になったら、働いている店にも影響あるんじゃないかな」と心配顔だ。


 昨年7月の参院選では、県内の19歳の投票率は36・24%と、18歳の48・10%を大きく下回った。住民票を移さずに進学や就職で地元を離れた19歳が棄権したことや、計画的に主権者教育が行われた高校と比べ、19歳への啓発が不足していたとの指摘がある。

 「高校の時は模擬投票もしたし、先生から何度も投票に行くよう言われたけれど、今は周りの大人が呼びかけてくれるわけでもない」と男性。「社会に出て感じるのは若い世代が自覚を持って将来を考えるべきだということ。10代の投票率が上がれば政治家もこっちを向いてくれる」と信じる。

 福井市の介護老人福祉施設に勤めている女性。昨年の参院選の時は、まだ17歳だった。授業で政治や選挙について勉強したけれど、正直、興味は湧かなかった。でも今は、介護職の人手不足や職員による高齢者の虐待といったニュースが、自然と目や耳に飛び込んでくる。

 地域の労働人口の減少、介護施設の増加。景気回復の影響から他業界と比べ待遇面での見劣り。各党が、介護離職ゼロや長時間労働改善などの施策を掲げ支持を訴える中「今の職場は比較的若い人が多いけれど、一人一人の負担やストレスが、もっと減っていけば」と願う。一層の高齢化を控え、一票はしっかりと行使するつもりだ。

 自動車販売会社で事務職として働く南越前町の女性も「過重労働や消費税増税のニュースに敏感になった」。昨年の参院選では自分の考えを持つことなく、政党についてもよく理解せず投票したが「今回はニュースや新聞をしっかり見て、どの政党に入れたらいいか見極めたい」と言う。

 鯖江市内の金融機関窓口で働く女性(越前市)は、今回が自身初の選挙だが、各党の経済政策に注目する。アベノミクスで景気は回復傾向とされるが、外回りをしている先輩職員と話していても実感はあまり湧かない。先日、窓口に来たおばあちゃんが「預金金利が低くて年金生活者には厳しい」と話していたのが耳に残っているという。「零細企業やお年寄りといった弱い立場の人にちゃんと目を向けている人や政党に、一票を入れたい」と力を込めた。

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