障害のある人とない人が一緒に活動する事務所で、「いろいろな状態の人が当たり前に生活できる社会になってほしい」と話す五木さん=福井市内

 政府は今年2月、2020年東京五輪・パラリンピックを契機に、障害のある人や高齢者に配慮した共生社会の実現を目指す行動計画を取りまとめた。一方、内閣府が9月末に公表した世論調査によると、障害を理由とした差別や偏見が「ある」と思う人は83・9%に上った。移動や就労など、障害のある人が直面するバリアー(障壁)はまだまだ高い。衆院選で各党や福井県内候補者の支援施策の訴えは目立たず、政治の本気度が問われている。

 友人に誘われて、おしゃれでおいしいと評判の飲食店を訪れた。店の入り口は、階段を8段上がった先。トイレは地下だった。エレベーターやスロープはなかった。

 「車いすを使っている人や、目に障害のある人は来ないという前提の店が多い」。障害者自身が運営の中心となり取り組む自立生活センター「コム・サポートプロジェクト」(福井市)の代表、五木留美さん(51)が指摘する。

 五木さんは、40代から徐々に歩行が困難になり、杖(つえ)や歩行器、車いすを使うようになった。身体障害者手帳を取ったのは5年前。「人ごとと捉える障害のない人の目線も分かる。無関心の根底に、自分が分からないことには触れないという考えがある」

 16年4月に障害者差別解消法が施行され、国や自治体に負担が重すぎない範囲で障害者向けの設備を整えたりサービス提供したりする「合理的配慮」を義務付け、民間事業者にも努力を求めた。環境づくりは着実に進んでいるように見える。

 五木さんも、若者が何げなくコンビニのドアを開けてくれるなど、徐々に意識が変わってきていると感じている。

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