福井刑務所が試行している再犯防止に向けた指導で、生活保護費の使い道を考える高齢受刑者=10月6日、福井市

 再犯防止に向けた国と地方自治体の責務を明らかにした再犯防止推進法(議員立法)が昨年12月に施行された。初犯受刑者を収容する福井刑務所(福井県福井市)と福井県内の関係機関は、出所後に自活を見込めない高齢受刑者らを福祉の支援につなげる取り組みに力を入れている。国が抱える高齢化問題は治安の分野にも及んでおり、関係者は「地域の理解が不可欠」と訴えている。

 弁護人「万引は今回で最後にできるか」
 被告人「命に代えても誓います」
 裁判官「前回の裁判でも同じようなことを言っていた」
 被告人「返す言葉もございません」

 サンドイッチなどを万引したとして、常習累犯窃盗の罪に問われた無職男(69)の福井地裁武生支部初公判。男は万引で2度服役しており、検察官は「再犯の恐れが高く、長期間の矯正教育が必要」と懲役3年を求刑した。

 県警などによると、2016年の全国の刑法犯検挙人員は22万6376人で戦後最少を更新。再犯者数も11万306人で4千人余り減ったが、検挙人員に占める割合は48・7%と過去最高を記録した。

 16年版犯罪白書によると、15年の刑務所入所者のうち再入者の割合は59・4%に上り、65歳以上の高齢受刑者の再入者率は69・6%に達する。白書は、高齢者は出所後の生活の立て直しが難しいとして、再犯防止対策を重点的に行う必要性を指摘する。

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