海外からの旅行者に対して酒税を免税し始めた南部酒造場。価格表示も変更した=大野市元町の同社

 外国人旅行者の酒類消費拡大に向け酒税に関する法律が一部改正されたことに伴い、日本酒「花垣」で知られる南部酒造場(大野市元町)は、来店した外国人に酒税と消費税の免除を始めた。酒税免除は県内の酒類製造場で初めて。必要な電子端末や英語表記の価格表をそろえ、店内は一気にインバウンド(訪日外国人客)対応店に様変わりした。

 酒税と消費税を除いた購入額が5千円以上50万円以下の場合に免税する。同社は酒税を免除するために必要な「輸出物品販売場」免許を申請、7月に許可を得た。

 酒税免除施行日の10月1日、「免税」と大きく書いた赤色の看板を店に掲示。観光庁から配布された英語や中国語、韓国語表記の説明用シートも使い、訪れた外国人に免税の流れや注意点を伝えている。

 同社は朝市で知られる七間通りに店を構え、南部隆保社長(62)によると近年、通りを行き来し店を訪れる外国人観光客が増えているという。今後、北陸新幹線延伸や中部縦貫自動車道の全線開通で、外国人旅行者はさらに増えると見込んでいる。

 同社は2002年ごろから酒類の輸出を始め、現在では欧米や東南アジアなど12カ国で親しまれている。南部社長は「食文化が発達している海外では料理に一番合う酒を選ぶのが基本。和食といえば日本酒という概念が強く、和食ブームに連動して人気が出ている」とみる。

 さらに「酒にはその土地の歴史や風土が凝縮されている」と話し、酒の販売を通して福井県、大野市のまちや自然をPRしたいとしている。

 外国人旅行者の酒税免除 租税特別措置法の一部改正案が今年3月に国会で可決され、10月1日に施行された。日本産の酒の輸出促進や外国人旅行者の消費拡大、酒蔵のある地方への誘致を図る。酒類製造場か近接して直営店を構える全国約3200カ所が対象となり、1日時点で48カ所が許可を得ている。国税庁などによると現在の税制では、清酒1・8リットル(アルコール15%)税込み2千円の場合、酒税216円、消費税148円の計364円が課税されている。

 

関連記事