三宅勇三さんが開発した「ラクアップレバー」(手前)。既製の車いすに装着でき、手元のレバー操作でフットプレートが開閉する=福井県小浜市

 車いす乗降時の負担を減らしたい―。福井県小浜市の男性が妻を介助する視点を生かして、車いす利用者や介助者が手元のレバーで開閉できるフットプレート器具を考案・製造し、本格販売の準備を整えた。足を乗せるプレートに直接触れずに開閉でき衛生的で、既製の車いすに装着できる。十数年がかりで製品化にこぎ着け、特許も取得した男性は「多くの人の助けになれば」と普及を目指している。

 男性は三宅勇三さん(70)。十数年前、ヘルニアの手術を受けた妻かおるさん(67)が車いすを使うようになった際、プレートの操作は利用者が足の甲を使ったり、介助者が手でプレートをはね上げたりする必要があった。

 「しゃがんで何回も上げ下げするのは大変」と痛感したが、専門家に聞いても負担なく操作できるタイプは見当たらない。自分で開発しようと決意し本業の道路舗装業の傍ら、溶接技術を一から習得して試作を重ね、2012年に特許を取得した。

 「ラクアップレバー」と名付けた製品は、利用者や介助者が車いすの手元にあるレバーを上げ下げすると、フットプレートがパタパタと開閉する。縦の動作を横に変換する仕組みだ。農業用ハウスに使う鉄製パイプや、自転車のハンドルのグリップなどを活用したほか、手製の金型で作った部材を複数組み合わせた。

 安全性を考慮して突起の少ない形状とし、車いすのブレーキに接触しないようレバーは独自の曲線に。安価に抑えるため、できるだけ部材を省く工夫も施した。スパナでボルトを締めるなどで簡単に脱着できる。

 開発後、三宅さん自身の病気療養のため販売を延期していたが、回復した今年から再始動した。価格は1セット1万8500円(税別)。興味を示した医療機器関連企業を通じて、県内の医療・福祉施設に紹介し始めた。

 三宅さんは「使う側の立場になって、既製品にない改良点に気付いた。この器具で多くの人に喜んでもらえればうれしい」と話している。

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