県外に住む区の出身者に故郷を懐かしんでもらおうと活動するメンバーら=10日、福井県美浜町佐田

 ふるさとへの郷愁を感じてもらおうと、福井県美浜町の佐田伝統文化保存会と佐田区が協力して、地元で採れた野菜や区内伝統行事の写真を県外に住む区出身者に送る取り組みを始めた。郷土の贈り物を通して故郷を懐かしみ帰省やUターンのきっかけにしてもらう。

 町内で最も多い約800人が暮らす同区は、高齢者が3割以上を占める。若い世代の住民が減り空き家も増加傾向にあるという。写真を見るとふるさとに愛着や懐かしさを感じ帰ってきてもらえるのでは―と同保存会が発案した。

 区と協力し年に3回程度、伝統行事の写真などを県外在住者に送付する。同保存会の役員や区の有志ら10人程度が中心となり、取り組みを進める。

 1回目の発送となった9月末には、5月に営まれた区内の織田神社(おりたじんじゃ)の例大祭や、8月の納涼盆踊りの写真を用意。紙に印刷し、紹介された新聞記事や町の広報紙とともに、関西や近畿に住む区出身者8人と東京、大阪の両美浜人会に送った。受け取った人からは、区内に住む親らを通して「懐かしい気持ちになった」などと喜びの声が寄せられたという。

 地域で採れた旬の野菜も届けようと、本年度は金田久璋・同保存会顧問の休耕田約3アールでサツマイモ約200本を栽培した。10日は保存会会員や区の有志ら13人が収穫作業に汗を流した。約450本が立派に育ち、傷みを防ぐもみ殻をかぶせて10月中旬ごろに発送するという。

 同保存会の中道健三会長(74)は「区の人口が減る中で取り組みを継続し、ふるさと創生につなげることができれば」と力を込める。加賀山信之区長(61)も「Uターンを働き掛ける重要な取り組み。区も継続して協力していきたい」と話している。

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