会見で帰国15年を振り返り、家族の近況や今後の取り組みを話す地村さん夫妻=9日、福井県小浜市文化会館

 地村保志さん、富貴恵さん夫妻は9日の集会後に記者会見した。保志さんは、拉致問題風化への懸念を示した上で「地元の小中学校から依頼があれば、話をさせてもらおうと思っている」と話し、若い世代にも関心を持ってもらうために自身の経験を語る姿勢をみせた。

 昨年春に小浜市役所を定年退職した保志さんは「平穏な生活を送っている」と話す一方、ほかの被害者の帰国が実現しない現状に「気が休まらない」と語った。

 集会を企画した救う会福井の面々は森本信二会長ら地元の同級生たち。「みんながいろんな運動に取り組んでいる時に、張本人の私が何もしないではいられない」。署名活動などに積極的に参加し始めた思いも語った。

 核開発やミサイル発射を続ける北朝鮮情勢について聞かれると「拉致問題が置き去りにされないよう、水面下でも交渉を進めてもらいたい」と日本政府の動きを期待した。

 富貴恵さんは、約8年ぶりに再会したという曽我ひとみさんを気遣い「お母さんの問題で何かしたいけど、何もしてあげられないという思いがある」と胸中を明かした。現在は県嶺南振興局で嘱託職員として勤務中で「あと1年半ほど頑張り、その後はできることをやりたい」。保志さんと歩調を合わせて活動に取り組む意志を示した。

 ×  ×  ×

 北朝鮮による拉致被害者5人が帰国してから15年となるのを前に、拉致問題の早期解決を願う集会が9日、福井県小浜市で開かれ、家族会の飯塚繁雄代表(79)が「私たちに節目はない。(核ミサイル問題だけが取り上げられ)拉致問題が置いてきぼりになっている」と国の最優先課題として取り組むよう訴えた。

関連記事
あわせて読みたい