福井県内の県立高の廊下に掲示されている模試の日程表。志望校の選択が迫る10月は特に集中している

 10日公示の衆院選で、選挙権を持つ高校3年生への対応に、福井県内の学校関係者が頭を悩ませている。この時期は、大学受験に向け志望校の決定につながる重要な模試が立て続けに予定され、受験生にとっては、まさに“ヤマ場”。突然の解散に教員からは「選挙に関する指導や主権者教育に十分な時間を割けない」と、投票率の低下を心配する声も出ている。

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 ■立て続けの試験

 「全国統一模試、中間考査、県模試…」。藤島高の青木建一郎教諭(56)=公民科=は、10月の学校行事が書かれたスケジュール表に目をやり、渋い表情だ。

 今回は、18歳選挙権が導入されて初の衆院選。「本来なら十分時間をかけて、どの党、どの候補者が信頼できるか判断して投票することが必要だが、政治経験が浅い若者が投票先を選ぶのは簡単ではない。この時期に授業で選挙を取り上げる余裕はなく、生徒自ら公約や主張を調べるのも難しい」と話す。

 県高校教育課によると、22日の投票日は、多くの普通科高校が模試に参加する。職業系高校では7割程度の生徒は就職を決めているが、就職試験や各種の資格試験に臨む生徒も少なくないという。

 嶺北の県立高の公民科教諭は、選挙日程が決まった9月末、3年の政治経済の授業の冒頭で「憲法でも消費税でもいいので、自分にとっての優先政策を一つ決めて一票を投じてほしい」と生徒に呼びかけた。ただ「投票には行ってもらいたいが、受験に向けて必死の生徒たちのことを考えると、主権者教育になかなか時間は割けない。みんな受験で頭がいっぱいの中で、どこまで伝わったか…」。

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