鈴木宏治氏

 元福井県議会議員(県議)の鈴木宏治氏(43)が、衆院選福井1区の希望の党公認候補に決まった。公認申請していた県議の野田富久氏(70)は厳しい状況に追い込まれた。急転直下の擁立劇の背景には「鈴木氏とつながりのある細野豪志元環境相が調整したのでは」とみる関係者は多い。ただ「天の声」ともいえる中央からのトップダウンに、野田氏の支持者や連合福井の一部組合員は「排除された」と反発しており、しこりを残す可能性もある。

 鈴木氏と細野氏は、ともに国会議員秘書を務めていた時から気心の知れた仲。細野氏が新党を設立した場合、鈴木氏は参加を検討する意思を伝えていたという。約束を忘れなかった細野氏から、希望の党ができる前にラブコールがあったことを、鈴木氏は福井新聞の取材に認めていた。

 それでも、衆院解散の動きが加速していた9月23日の時点では、取材に「4対6で出ない割合の方が高い」と答えていた。「僕は衆院選と参院選で3回負けている。有権者にすれば、賞味期限は切れているんじゃないですか」と自虐的に語る場面もあった。

 ただ、この時点で希望の党は設立されていなかった。福井維新の会政調会長の立場から、日本維新の会から1区に出馬するか、自分の代わりに別の候補者を立てるのか、それとも政界再編の動きを見据えて無所属で名乗りを上げるのか。鈴木氏はさまざまな選択肢の中で思い悩んでいた。

 複数の関係者によると、潮目が変わったのは9月25日だった。安倍首相が衆院の解散表明をする数時間前、東京都知事の小池百合子氏が希望の党の設立を発表。その後、雪崩を打ったように、鈴木氏がかつて所属していた旧民主党を母体とする民進党が希望の党への合流方針を決めた。

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