夜間も明かりがもれる工場=10月、福井県内

 福井市内の製造系企業で営業を担当する30代男性は、子どもたちが寝静まった午後11時過ぎに帰宅する。出社前や帰宅後の早朝深夜でもメールや携帯電話で顧客とやりとりし、休日出勤も少なくない。ノー残業デーは掛け声だけで「ただ働きが増える」。後輩や部署の違う同期は定時退社できているらしく「実際に働いている時間は残業代がほしい。子どもがいなかったら辞めたい」。残業時間短縮だけが注目され、社内に不公平感を広げる働き方改革への取り組みに不満を感じている。

 「俺をバカにしやがって。殺す」「仕事をできなくしてやる」―。市内にある団体の50代管理職女性は酒席で突然、40分以上罵倒された。相手の50代男性管理職は「悪口を言われていると思った。家庭や仕事のストレスもあった」と釈明。罵倒の原因に心当たりがなかった女性は悩み眠れず、頭痛や動悸(どうき)に襲われた。「ぼーっとしてきて、このまま消滅してもいいか」とも思ったが、家族を苦しませてはいけないと理性が働いた。病院へ行くと「急性ストレス反応」と診断された。

 残業をいとわず働き管理職になっただけに、職場に戻りたい気持ちはある。ただ“事件”から約10カ月、組織は男性を適正に処分せず野放し。「きっとパワハラは繰り返される」

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