変形性膝関節症と診断され、7〜8年前からかかりつけ医にステロイド入りのヒアルロン酸注射を打ってもらっています。先日、知り合いの整骨院や別の医療機関で「この注射を長く続けるのはよくない」と言われました。痛みが治まり楽になるので、現在も月に2回打っています。長く続けるとどうなるのか、またどういう治療が望ましいのか教えてください。
(福井市、69歳女性)

【お答えします】大橋義徳 福井県立病院 整形外科医長

■痛み強い時だけステロイド入りを

 変形性膝関節症に対するステロイド関節内注射は、海外のガイドラインでは痛みの抑制効果が高いとして高く評価されています。一方、日本のガイドラインでは海外ほど高く推奨されていません。

 大きな理由の一つは副作用です。例えば、高血圧や糖尿病の悪化といった全身性の副作用や、ステロイド結晶による結晶性滑膜炎や膝関節への細菌感染、ステロイド性関節軟骨萎縮といった局所的な副作用が知られています。

 そのため、頻回使用については注意喚起され、年4回以上は勧められていません。ステロイド入りのヒアルロン酸注射を月2回、7〜8年ほど続けておられるようですが、このことを踏まえると回数が多いと考えます。

 一方で、ヒアルロン酸の関節内注射は、作用発現は遅いものの長く症状が緩和するとの報告があり、海外のガイドラインに比べると日本のガイドラインでは高く評価されています。従って、基本的にはヒアルロン酸のみを注射し、痛みや腫れが強い時だけステロイドを注射するといったやり方が良いと思われます。

■装具や訓練、服薬… 治療法多数

 関節内注射以外に、変形性膝関節症に対して良いとされる治療法について紹介します。

 まず、非薬物療法として、膝関節への負担の軽減(減量や装具、杖などの使用)や有酸素運動、膝関節可動域訓練、大腿四頭筋訓練などの理学療法は国内外で評価されています。大腿四頭筋訓練は、膝を伸ばしたままゆっくり足を上げ下げする運動で、自宅でも簡単にできます。

 薬物療法として、非ステロイド性鎮痛薬の内服は国内外で高く推奨されています。その一方で、長期間内服すると胃潰瘍などの副作用が発生することがあるため、消化管保護薬を併用すること、長期投与は控えることが必要視されています。また、膝関節だけに痛みがある場合には外用剤も良い適応とされています。

 このように変形性膝関節症の治療には関節内注射以外にもさまざまな方法があります。主治医の先生とよく相談しながら治療してください。
 

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