「なんで福井に帰ってきたの?」

就職活動を終えて福井に戻ってきた当時の私に、周りの人たちがよく問いかけてきた。大阪で大学生生活を送っていたのだから、そのまま大阪で職を見つければいいのにと、人々の目にはわざわざ福井に帰ってきた私は奇妙に映っていたのかもしれない。

「福井が好きだから」とか「住み慣れたところで働きたい」とか。
たぶん、そんな風に答えていたし、どれも本心でウソはなかった。
しかし、迷いはあった。本当に福井に帰ってきてよかったのだろうか、都会に残っていればもっといい仕事と暮らしを手にできたのではないだろうか。福井を離れ、名の通る大企業に就職していった友人たちの姿が頭をよぎる。自分を活かせる場がもっと他にあったのではないか?とついつい考えてしまっていた。

そうやって私がウジウジと思い悩んでいる時分に、彼らはやって来た。
いや、やって来ていた。
私が彼らと初めて接触したのは去年の12月。彼らとの出会いをきっかけに、私の生活が少しずつ変化し始める。

およそ2年前、鯖江市はある移住政策を行う。その名は「ゆるい移住」。2015年10月から2016年3月までの6ヶ月間、鯖江市内の市営住宅を無償で提供し、若者に自由に住んでもらおうというものだった。そして、こちらにいる間は何をしてもよいというのが「ゆるい」という名のつく所以である。

ゆるい移住参加者が運営する炭窯からの風景。彼と関わらなければ美山の美しい風景を見ることはなかったかもしれない

私の知る限りでは、元プロ野球選手、元パティシエのフリーライター、東大出身で元コンサルの教育者、効率化と情報リテラシーの達人、生粋のニートといった、私がこれまでなかなか聞いたことも出会ったこともないような、特殊?奇怪?な経歴の人たちが福井県にやって来ていた。 彼らの幾人かとは、私が現在所属する「ゆるパブリック(ゆるパブ)」の活動を通じて知り合っていくことになるのであるが、彼らのことを知っていくうち、彼らはまるで違う星からやって来たかのようなカルチャーショックを受ける。

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