事故があった北陸新幹線柿原トンネル工事現場で行われた現地調査=23日午後1時10分ごろ、福井県あわら市柿原

 福井県あわら市で建設中の北陸新幹線柿原トンネルの天井部分が崩落、地表のグラウンドが陥没した事故で、鉄道建設・運輸施設整備支援機構の技術委員会が23日、初の現地調査と会合を行った。会合後の会見で委員長の朝倉俊弘・京都大名誉教授(トンネル工学)は、事故原因は地形や工法など多くの要素が絡んでいるとした上で「陥没現場は地質が弱かったのでは」との認識を示した。また、危険防止のため敦賀方面の早急な工事再開が必要とした。

 同機構などによると、柿原グラウンドは造成前は丘陵地で高低差約10メートル。1982年の造成の際、切り土、盛り土を施しており、委員会ではこの点に注目が集まったという。朝倉委員長は「元の地形に関係があると思っている。特に陥没現場は高い部分に挟まれた低い土地で、地下水を多く持っているなど地質が弱かった可能性がある」と述べた。

 会見に同席した同機構は「グラウンドが盛り土されていたのは知っていた。認識が甘かったのは事実」とした。工事に向けて使用した地形図と、事故後に地元から提出された地形図の等高線にずれがあったことも明らかにした。

 朝倉委員長は、坂井北部広域農道(フルーツライン)の下まで進んだ敦賀方面の工事について「掘削した部分が未完成のままでは危険。早急に工事を進めることが安全に結びつく」とした。崩落現場周辺を含む金沢方面に対しての掘削に対しては「(機構から)地盤改良が提案されたが、崩落で地盤が緩んでいることもあり、提案より広い範囲で地盤改良すべきだ」と訴えた。工事再開時期については「原因を特定して以降」と述べるにとどめた。

 技術委員会は朝倉委員長ら有識者17人で構成、この日は14人が参加した。崩落現場の坑内やグラウンドの調査、近くの集会所で開かれた会合には、県とあわら市の担当者計5人も加わった。

 10月中旬に第2回の委員会を開き、復旧のあり方や再発防止に向けた取り組みを議論する。第3回会合で原因を明らかにする方針。

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