自身の作品を前に笑顔を見せる角谷さん=福井県高浜町薗部

「書家として名前を広げていきたい」と意気込む角谷さん

 元福井県高浜町職員で書家の角谷有紀(なおき)さん(34)=同町=が来年7月にパリで開かれる「ジャパンエキスポ」に出展することになった。病気で自宅療養中に写真・動画共有アプリ「インスタグラム」に自身の書を投稿したところ、主催者側から依頼があり出展が決まった。角谷さんはこのほかにも数々の美術展で作品が展示されるなど、国内外で評価を得ており「もっと書家として名前を広げていきたい」と意気込んでいる。

 角谷さんが書道を始めたのは園児のころ。以降、趣味として書き続けてきたという。
 本格的に書家としての活動を決めたのは、病気が契機だった。「右特発性大腿骨頭壊死症」という病気で「歩くことも厳しかった」。昨年12月から自宅などで療養していた間、趣味だった書をしたためインスタグラムへの投稿を始めた。

 療養中、「このままでいいのかと自分を見つめ直した」と角谷さん。どうせなら「何か突き進んでやりたい」と一念発起し今年7月、町役場を退職した。

 ジャパンエキスポは日本文化とエンターテインメントの世界最大規模の総合博覧会。インスタグラムに掲載されていた角谷さんの書を見た主催者側から6月、ダイレクトメッセージで参加の依頼があった。来年の同博覧会では出品するほか、書のパフォーマンスも披露する予定だという。

 角谷さんの作品は国内外で好評を得ている。8月に東京の新国立美術館で開かれた日本・フランス現代美術世界展では、同町出身で禅を世界に広めた明治の高僧、釈宗演をテーマにした作品を出展した。越前和紙を「墨流し」という技法を使って染め、「禅」という文字と図形の丸を一筆で描いた「円相」を書き上げた。

 「高浜のルーツを大事にして書いた」というこの作品は同展で入選し、フランス芸術家協会の名誉会長から絶賛されたという。また同作品は特別推薦を受け、来年のスペイン美術賞展への出展も決まっている。このほか、県内で開かれる映画祭のタイトルロゴの制作依頼を受けるなど、活躍の幅を広げている。

 角谷さんは「いろんな人に作品を見てもらいたい。企業の人にも見てもらい、商業書家としてやっていけたら」と話している。

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