3カ月前から右の胸(乳房の上あたり)が時々ビリビリとしびれるような感覚になります。病院で血液検査をしてもらったら、腎臓、脂質、甲状腺、リウマチ関連などの数値は「異常なし」とのことでした。7月下旬には一度、右だけでなく両方の胸がしびれるように痛みました。が、これは2時間ほどで治まりました。何かの病気でしょうか。(福井県敦賀市、75歳女性)

 【お答えします】松倉規・福井赤十字病院呼吸器外科部長

 ■考えられる原因さまざま

 しびれるような胸痛が慢性的に続き、両側に広がってきたとのことですね。胸痛は原因が多岐にわたり難しいですが考えてみましょう。

 医療者側から言わせていただきますと、患者さんに「胸が痛い」と言われると、身構えることになります。症状は軽そうでも狭心症や大動脈解離など命にかかわる病気の前触れの可能性があるからです。頻度的には肋軟骨炎が多いのですが、決め手となる所見があるわけではありません。

 診察室では痛みの部位を視診、触診し、圧痛の有無を確かめ、胸部レントゲンを撮り、異常がなければまずは肋軟骨炎と考えて通常の鎮痛剤で経過を診ます。狭心症などは否定できませんので必ず「おかしいと感じたら、再度病院に来てください」の一言を付け加えます。

 緊急性や重症度の高いものから考えてみます。重症化して命にかかわるのは心臓や大血管に関する狭心症や大動脈解離などです。これらの診断には心電図や胸部画像検査が必要です。質問者の場合、3カ月間症状が続くとのことで緊急性がなさそうに見えますが、念頭には置くべきです。
 
 ■腫瘍や炎症隠れている場合も

 次に、慢性的な胸痛なので胸壁に腫瘍(がん)や炎症が隠れている場合があります。胸壁腫瘍は頻度は低いですが肋骨(ろっこつ)などに原発性や転移性腫瘍を生じる可能性があります。症状は腫瘤(しゅりゅう)を自覚することと痛みであることが多いです。胸壁の炎症としては胸囲結核といって結核の特殊なものがあります。

 胸壁近くに発生した肺がんでは胸痛やしびれがきっかけで発見される場合があります。肺炎がこじれて胸膜に炎症が及ぶ胸膜炎も胸痛の原因になります。これらの診断には胸部CTなどの放射線画像検査が必須です。

 他にも慢性的な胸痛の原因になる病気は多く、皮疹がみられる帯状疱疹(ほうしん)、逆流性食道炎、胆のう炎、神経的な失調などです。

 かかりつけの先生がいらっしゃるようなので紹介状を書いてもらい、総合病院を受診するのがよいでしょう。

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