刀剣などの返還を求める集団訴訟で全面勝訴し喜ぶ被害者の会と代理人弁護士=20日、福井市の福井地裁前

 日本刀の業務上横領罪などに問われている福井市の刀剣販売・修理会社を相手に、福井など13府県20人が刀剣などの返還を求めた集団訴訟の判決言い渡しが20日、福井地裁であった。林潤裁判長は原告側の訴えをすべて認め、刀剣などを引き渡すよう被告に命じた。事件の一因となった法外な支払いを求めた上で刀を返却しない根拠にしていた不当な契約条項や、委託販売を解除する際に生じた損害の代わりに、刀剣などの所有権を被告に移転することで合意したなどとする被告側の主張はすべて退けた。

 原告側は昨年11月と今年2月、福井市の勝山剣光堂=代表取締役・勝山智充被告(48)=を提訴。うち3人は判決前の7月、代金と引き換えに刀を返還するよう命じる決定が同地裁から出されており、すでに3本を強制執行により回収した。

 訴状によると、原告は▽刀剣の修理▽刀剣などの委託販売▽修理や売却の見積もり―などの理由で被告に預けた刀剣約20本や鐔(つば)、刀箪笥(たんす)、十字やり、香炉などが、不当に返されないままになっていると返還を求めていた。原告側によると、預けた刀剣は数十万円相当のものから、最高で100万円余りの価値の品もあるという。

 福井市内で会見した原告代理人の久田浩誌、西村雄大両弁護士が「不当な契約条項に基づく被告の主張は認められず、『キャンセルしない』と被害者から得ていた同意も無効と判断された」と評価。被害者の会事務局長で社会問題被害者救済センターの村内光晴代表は「一つの区切りとして喜ばしい判決」と述べた。

 同会では今後、判決に基づいて業者側に返還を求める。
 

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