自民党県連女性局の定期大会であいさつする高木毅氏(右)と、来賓席に座る山本拓氏(左から2人目)。次期衆院選に向け両者の争いが表面化した=2日、福井市の県繊協ビル

 次期衆院選福井2区の自民党公認候補を巡り、比例代表からのくら替えを目指す山本拓氏(65)と現職の高木毅氏(61)の争いが表面化し、党所属の県議に波紋が広がっている。県連会長の山本氏が候補者調整のために進める党員投票の手続きに対し、多くが「立候補は現職優先が原則なので必要ない」と指摘する。だが一部には「福井代表として小選挙区に戻りたい気持ちも分かる」との声もある。

 「党員投票は新聞で初めて知った。全く聞いていない。自分が2区から出馬するために権限を利用するなんて、会長職の私物化じゃないか」。ベテラン県議の一人は顔を紅潮させながら、現職優先の立候補の原則を覆す山本氏の手法を批判した。「まずは執行部会でどうするかを決めるのが筋だ。その手順を全く踏んでいない。県連の民主的な運営ができないなら、会長を辞めるべきだ」と手厳しい。

 福井1区に地盤のある別の県議は「正直言って2区の話に巻き込まれたくない」としつつ、声を潜めて「現職の高木氏が2区から出るのは既定路線。党員投票をやる意味なんてない」。2区で活動する別の県議も「自民は一体何をしているのかと有権者は受け止めるだろう。最終的には党本部が調整するしかないんじゃないのか」と静観する。

 一方、山本氏への同情的な意見もある。前回衆院選時の「0増5減」に伴う区割り変更で、党本部の裁定によって山本氏が旧2区から比例代表北陸信越ブロック単独1位に回ったことが、騒動の伏線になっているとの見方もある。ある関係者は「2区が高木氏でいいのか、山本氏が党員に直接聞きたいと思っても仕方がない」とおもんぱかる。

 ただ今回の騒動が思わぬ影響を引き起こす懸念もある。党本部の調整で前回と次期衆院選は、北陸信越ブロックの名簿単独上位で山本氏を処遇することが確約されている。山本氏が2区から出馬した場合、北陸信越ブロックに所属し、小選挙区の情勢が厳しい他県の県連から「上位の枠を譲ってほしい」との声が上がっても不思議ではない。別の関係者は「比例名簿単独上位は、選挙の弱い候補はのどから手が出るほどほしい。山本氏の代わりに高木氏が比例で特別扱いされるなんて甘い話はないだろう」と優遇措置の福井枠が消滅する可能性を指摘。「福井の衆院議員が減っていいのか」と気をもむ。

 党員投票の今後の進め方について県連幹事長の斉藤新緑、総務会長の仲倉典克両県議と県連事務局は19日、県会常任委員会の合間に断続的に協議した。斉藤県連幹事長は報道陣に対し「27日の執行部会で候補者について協議し、最終的には総務会で決める」と説明。その上で、党員投票は山本氏主導の任意調査であることを強調し、「一つの参考資料にはなるだろうが、その結果が決定打になることはない」との見方を示した。
 

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