福井県の新規事業「幸福ふくいロングステイ」を紹介する特設ホームページの一部

 福井県内に1週間程度滞在してもらい、将来の居住地に選んでもらうことを目指す県の新規事業「幸福ふくいロングステイ」が、滞在者の呼び込みで苦戦している。4市町を滞在先に1組ずつ6泊7日のプランを提案しているが、15日午前の段階で応募は1組のみ。同日が開始予定日だった鯖江市編は参加者が集まらず、仕切り直しとなった。都市部の中高年層を受け入れる「お試し居住」の環境整備は進んでいるが、情報発信やマッチングに課題を残している。

 同事業は市町などと共同で受け入れ態勢の整備を進めることを主眼とし、県が本年度当初予算に1219万円を計上した。事業期間は3年を想定。本年度はモデル的に、鯖江市、勝山市、越前町、美浜町での滞在プランを用意し、旅行会社が8月1日から販売している。代金は宿泊費、地元住民らとの交流会費で1人2万5千円~4万円。これに伝統工芸体験などの有料プログラムを自由に組み合わせていく仕組みとなっている。

 ロングステイ財団(東京)の会員約3千人などに情報提供したものの、応募があったのは越前町編のみ。これとは別に、10月に2泊3日の体験プラン2件(定員計18人)もあるが、応募は数人にとどまっているという。ある関係者は「時期的に1週間の滞在はハードルが高く周知期間も十分ではない」と集まりが悪い原因を分析する。

 その一方で、「福井暮らし」を体験できる専用施設はすでに6市町(7月末現在)にあり、他の市町にも設置計画がある。越前町では施設利用者が移住した実績もあり、期待値は高い。鯖江市編ツアーの舞台となっている鯖江市河和田地区のまちづくり協議会メンバーは「応募の有無に一喜一憂せず、伝統工芸職人と交流しながら思い思いに過ごしてもらえる環境づくりを進めたい」と意気込む。

 事業を所管する県地域交流推進課は「魅力的な体験プログラムを掘り起こし、受け入れ環境の整備が進んでいることは成果だ。試行錯誤と改善をしながら、引き続き募集を継続したい」としている。

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