アユ釣り解禁日に竿を傾ける釣り人たち。今年の釣果は不振を極めている=6月10日、福井県永平寺町松岡上合月の九頭竜川

 「アユ釣りのメッカ」として名高い九頭竜川中部漁協の管轄区域(福井県坂井市~永平寺町の市荒川大橋)で“異変”が起きている。1日30~50匹釣り上げるベテランでも1桁や釣果ゼロの日が珍しくない絶不調ぶりで、地元の太公望たちは「これまでで最悪の状況」と口をそろえる。天然アユの遡上(そじょう)数の大幅な減少が影響している可能性が高く、同漁協は近く、おとりアユ店の関係者を集めた意見交換会を開き、対策を協議する。

 ■釣り客まばら

 五松橋、福松大橋、鳴鹿堰堤(えんてい)周辺などの好スポットで竿(さお)を傾ける太公望たちの姿は福井の夏の風物詩だが、今年は休日でも、その姿はまばらだ。6月10日の解禁から不振が続き、1万2千円の年間入漁券を購入した福井市の男性(69)は「いつもなら2桁は釣れるのに1匹も釣れない日があった。詐欺にあったようだ」と憤る。

 「特に県外の人は車の燃料代や高速代、宿泊費など全て無駄になってしまう」と話すのはアユ釣り歴40年の福井市の60代男性。「釣れない川にわざわざ人は来ない。客離れが進めば、釣具店や飲食店、宿泊施設の経営にも影響し、釣り場自体が衰退してしまう」と警鐘を鳴らす。

 今年の入漁券販売数は2年前の半分以下に落ち込む見込みで、中部漁協は「入漁券が売れなければ組合が成り立たない」と危機感を募らせる。

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