大野市の県自然保護センターで、県内で絶滅の危機にある六呂師高原の植物を保存する取り組みが進んでいる。今年は敷地内に手作りした花壇に、秋の七草など3種類を植え育てている。同センターは「“自然観察の森”として、六呂師高原の野生植物を遺伝子レベルで保存することが重要。来場者にも見てもらい、自然への関心を高めてほしい」としている。

絶滅の危機にある六呂師高原の植物を育てている花壇=8月30日、大野市の県自然保護センター

 3種は、日当たりの良い草地で育つスイカズラ科「オミナエシ」「マツムシソウ」と、気品ある紫色の花を咲かせるキキョウ科「キキョウ」。いずれも県域絶滅危惧1類に指定されている。オミナエシ、キキョウは秋の七草としても知られる。

 職員たちは昨年10月ごろ、同高原に育つ3種の植物から種を取り、プランターで育てた。今年5月下旬には敷地内の芝生を耕し、10平方メートルの花壇を製作。育った苗約50本を植え、交代で世話をしている。いずれも7月下旬ごろから黄色や藤色の愛らしい花を咲かせ、花壇を彩っている。

 かつては同高原に当たり前のように育っていたが「環境が変化し自然に育つ植物が減っている。マツムシソウは絶滅に近い」と松村俊幸所長。可能な範囲で花壇を増やして種をつなぐとともに、来場者が気軽に観察できる場所にしようと考えている。

 オミナエシは昆虫が好む植物で、チョウやハチなど多様な生き物も間近で見ることができるという。「冬に開いている野鳥レストランのように、夏の昆虫レストランが開催できれば」と構想を膨らませている。