手漉き和紙を使って襖を張り替える「東大襖クラブ」のメンバー=11日、福井県越前市大滝町の長田製紙所

 越前和紙で張り替え技術向上を―。襖(ふすま)と障子の張り替えをする東京大のサークル「東大襖クラブ」が、手漉きの襖紙を製造する福井県越前市大滝町の長田製紙所(おさだせいししょ)で夏合宿をしている。住環境の変化で襖や障子の需要が減る中、「普段は扱えない質の良い紙を使い、昔ながらの技術を引き継いでいきたい」と汗を流している。

 同クラブは60年以上活動を続けているが、近年は襖のない家が増加。依頼を受けても価格の安い機械漉きを希望されることがほとんどで、昔ながらの手漉きの紙を使った張り替えは年に1、2件と少なくなった。このため、扱うための知識や技術の後輩への継承が難しくなっているという。

 襖紙を購入している縁で2年前から交流している長田製紙所に相談したところ、「手作業で張り替えられる人が減る中、昔からのやり方を追求してくれるのはありがたい」と長田和也社長(57)が快諾。初の合宿が実現した。

 2年生以上の男女9人が4泊5日で参加。初日の11日は、メンバーが寝泊まりしている寺や長田さん宅から集めた襖や障子を張り替えた。「手漉きは緊張するな」と話しながら、元の和紙を剥がして下張りし、慎重に新しい紙を張っていた。

 初めて手漉きの襖紙を張った三島由梨子さん(21)は「(板への)吸い付きが良くてやりやすかった」とほっとした表情。部長の佐々木悠さん(22)は「経験が少なくて自信がなかったけど、これでお客さんにも手漉きの紙を勧めやすい。業界の盛り上げに少しでも貢献できれば」と話していた。

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